金管楽器でのマウスピースの吹き方を解説!練習・洗浄方法も♪
金管楽器でのマウスピースの吹き方は、なんとなく分かっている人が多いはず。
金管楽器は唇が「ブー」と振動することで音が出て、マウスピースだけのときも同じです。
唇が振動することは分かっていても、なんだかうまくいかない…。
マウスピースの吹き方は難しいと思われがちですが、それは正しい吹き方のポイントを知らないだけ!
今回は金管楽器でのマウスピースの吹き方を、唇の振動方法からアンブシュアの作り方・位置までお教えします。
またマウスピースでの練習方法はもちろん、最後には洗浄の仕方もご紹介します♪
金管楽器ではマウスピースの吹き方が重要!保存版
金管楽器は金属製のマウスピース内で、唇が振動することで音が出ます。
マウスピースとひとことで言っても、サイズは大小さまざま。
トランペットやホルンのマウスピースは小さく、ユーフォニアムやテューバは大きいです。
しかしどの金管楽器も、マウスピース内で唇が振動して音を出しているのは同じ。
この章では、イラストと画像を用いながらマウスピースの吹き方を徹底解説します。
マウスピースなしで唇を振動させる
マウスピースを吹く前に、何もない状態で唇を「ブルブルー」と振動させてみてください。
唇を振動させることが、マウスピースで音を出すための基礎になります。
- 口や唇には力を入れず、通常の状態にする
- 息を吸ったら唇の真ん中に息をあてて、唇を振動させる
全然唇が振動しない人は、ギュッと口に力が入っていませんか?
口や唇にギュッと力が入っていると、息を通る隙間がなくなってしまいます。
「ブルブルー」と振動させるには空気の通り道が必要、そして振動させるために柔らかい状態であることがポイントです。
引用 YouTube
上記の画像はミックスボイスを習得するための方法を紹介しているものですが、唇が振動する(リップロール)のやり方は同じです。
0:39のシーンで行っている唇が振動する動作を、マネしてやってみてください♪
アンブシュアの作り方
金管楽器を演奏するためには、唇が振動する動作をアンブシュアを作った状態で行い、マウスピースに唇をつけて音を出します。
トランペットやユーフォニアムなど、どの金管楽器を吹くかで若干アンブシュアは変わりますが、基本の形は同じ。
- 唇に隙間を少し空けた状態にする(ため息をつくときのような口)
- 唇の両端と山の部分に点があるイメージをする
- 2を意識しながら、唇を少し平らにするような、張るような感じで口の形を作る
アンブシュアで起こりやすい間違えは、口に力が入りすぎて「イー」の形になったり、唇を中心に集めすぎてタコの口になってしまったりすること。
アンブシュアの作り方の3をやるときは、唇の中心に隙間を空けることを忘れずに!
なかなか唇の形がイメージできないという人は、鏡で自分の唇を見て上記画像と見比べながらやってみてください♪
アンブシュアの上下位置
金管楽器のアンブシュアの作り方はどの楽器も基本は同じですが、マウスピースに対するアンブシュアの上下位置は楽器ごとに異なります。
上下位置は違いますが、マウスピースはどの楽器も唇の真ん中にあててくださいね。
楽器の種類 | マウスピースに対する唇の位置 |
---|---|
トランペット | 少し下 |
ホルン | 上唇がほとんどの割合をしめ、下唇は内側と外側の境界線あたりがあたる程度 |
トロンボーン | 少し上 |
ユーフォニアム | 少し上 |
テューバ | 真ん中 |
マウスピースに対する唇の上下位置は、上記の表に書いた内容が一般的です。
一般的な唇の位置はありますが、人によって唇の形や歯並びは違うため、よい音が出る位置であれば構いません。
私はユーフォニアムを吹いており、「少し上」について細かく説明すると、マウスピースの中に上唇が2/3、下唇が1/3の位置になるのが一般的です。
個人的な体験談になりますが、私は中学生時代にアンブシュアを一般的な正しい位置に直しました。
非常に根気のいる練習で何度も心が折れたのを覚えています。
しかし結果的に、アンブシュアを直したことによって高音域が出やすくなり、こもっていた音が響くようになりました。
アンブシュアを直すことはプロの先生に教わることが良いため、悩んでいる人は1回だけでも良いのでレッスンを受けることをおすすめします!
金管楽器はマウスピースでの練習が重要!やってみよう
実はマウスピースだけで音階や曲が吹けると、金管楽器上達への近道になります!
でも、マウスピースの練習って地味でつまらなさそう…。
練習が面白くなかったり辛かったりすると、金管楽器を吹く楽しみが分かる前に辞めたくなってしまいますよね。
私は小学生のころから金管楽器を吹いていたので、楽しくない練習の辛さ、よく分かります。
そこで今回は、ゲーム感覚でできる金管楽器でのマウスピースの練習方法を公開!
実際に私が初心者のころ行っていたマウスピースの練習方法をまとめてましたので、参考にしてみてください♪
マウスピースでバズィングする
マウスピースで音を鳴らすことをバズィングと呼びます。
バズィングできるようになるためには、まずアンブシュアの作り方をやりましょう!
マウスピースのバズィングで音程を変えたり、音を長く伸ばしたりするために、以下2つの練習をやってみてください。
- 鳴らしやすい音をマウスピースで何度か出す(どんな音程でもOK)
- 鳴らすことに慣れてきたら、2拍吸って3拍バズィングを何度か繰り返す
- 2拍吸って4拍バズィングを何度か繰り返す
- 2拍吸って5拍バズィングを何度か繰り返す
- 2拍吸って6拍バズィングを何度か繰り返す
※テンポは♩=60程度
マウスピースでのバズィングの感覚を体に覚えさせるためには、自分の鳴らしやすい音でロングトーンをすることがポイントです。
慣れきたら、他の音でもロングトーンしてみてくださいね!
マウスピースでロングトーンをするときの注意点は、以下のとおりです。
- 終わりがデクレシェンドにならないように、一定の音量でロングトーンする
- 息が苦しくなったら、腹筋にギュッと力を息を入れて支える
- 肩や腕、余分な部分に力を入れない
マウスピースでのロングトーンは、楽器を吹くときと違い適度な抵抗がありません。
そのためロングトーンは6拍程度で充分ですが、難しい場合は2拍・3拍・4拍…と1週間ごとに拍数を増やすなどの工夫をしてみてください。
- マウスピースで自分が出せる一番低音を鳴らす
- 自分が出せる一番高音を鳴らす
- 低音から高音まで途切れることなくグリッサンドで上がる
- 高音から低音まで途切れることなくグリッサンドで下がる
- 3~4を何度か繰り返す
※指定のテンポはなし
グリッサンドとは、1つの音から他の音へ途切れることなく滑らせるように音をつなげる技法です。
ジャズピアノで聞いたことある!
グリッサンドするときのアンブシュアは上記画像のようなイメージで、実際に音を出した後にすぐマウスピースを離した状態の写真です。
マウスピースでのバズィングでグリッサンドをすると、口周り・唇の柔軟性、息圧のコントロール、高音域の練習になります。
ロングトーンばかりしていると口周りが硬直する可能性があるため、グリッサンドも取り入れることがおすすめ。
グリッサンドの注意点は、以下のとおりです。
- 口をギュッとしめて音を変えようとするのではなく、息圧でコントロールする
- 高音にあがるときは口を横にひいたり、下唇をまいたりしない
- 高音にあがるとき、は腹筋で息を支えながら唇をスライドさせる
- 無理せずに少しずつ音域を広げていく
マウスピースでのグリッサンドはロングトーンより、少し難しいかもしれません。
上手くできないと力んでしまっているときは、一度深呼吸をしたり、リップロールをしたりして体をリラックスさせましょう。
【ピアノの音をひろってみよう】
ピアノの音をひろって行うマウスピースの練習は、1人でも2人以上でもできる楽しいメニューです!
自宅にピアノがなくても、スマホアプリの電子ピアノでOK。
練習方法は以下のとおりです。
- マウスピースで出せる範囲の音域で、何の音か分からない状態で任意の音をピアノで鳴らす
- ピアノの音が鳴っていない状態で、1の音をマウスピースで鳴らす
ピアノの音を鳴らしたらその音をマウスピースで鳴らすゲーム感覚の練習で、マウスピースで音をとる、音感を鍛えることをが目的です。
1人で行う場合は目を閉じた状態でピアノの音を鳴らし、音をひき終えたら指はそのまま、目を空けてマウスピースで音を出しましょう!
そのままにしていた指でピアノの音をひいて、答え合わせをしてください。
2人以上で行う場合は1人がピアノ担当、そのほかはマウスピースで音を鳴らします!
複数人で行うピアノを使ったマウスピースの練習は、誰が最も正確に音を鳴らせたかをジャッジして、勝敗を決めてみると面白いです♪
【簡単な曲を吹いてみよう】
マウスピースで音をとれるようになってきたら、マウスピースで曲を吹いてみましょう。
お好きな曲で構いませんが、童謡のような簡単な曲からマウスピースで吹いてみることがおすすめです。
以下はマウスピースで吹く曲の一例です。
- かえるの合唱
- ぞうさん
- 森のくまさん
- チューリップ
- ちょうちょう
- めだかの学校
- 大きな古時計など
※サビだけでもOK
可能であれば、ピアノで一度ひいたり音源を聴いたりしてからマウスピースで吹くと、正しい音程感がイメージできます。
金管楽器のマウスピース洗浄はどうやる?おすすめ4選
金管楽器のマウスピース、まさか洗浄せずにそのままケースにしまっていませんよね…?
マウスピースは口が直接当たる部分で、唾液もついているため楽器を吹いたらマウスピースは必ず洗浄しましょう!
でも、いまいち洗浄方法が分からない…。
今回は基本の洗浄方法から頑固な汚れをとる裏技を、日常的に行うべき順に並べたので試してみてください♪
基本の水洗い
マウスピースは楽器を吹き終わってケースにしまうとき、毎回必ず水洗いをすることが基本。
部活で金管楽器を吹いているなら、学校や施設に水道がありますよね。
特別にこの洗い方が良いというものはありませんが、水を流しながら指でマウスピースのカップの中までしっかり洗うようにしましょう。
唇が触れているリムだけ洗っても意味がありません。
雑菌繁殖やカビ予防のためにも、カップの中まで洗浄することが大切です。
洗浄せずにケースにしまうことを続けていると、雑菌による嫌な臭いやひどい場合はカビが生えてきてしまいます。
雑菌もカビも体に入ると健康に異常をきたす場合があるため、とくにマウスピースを洗うことは重要です。
もし周りに水がない状況でしたら、【番外編】マウスピーススプレーをご覧ください。
マウスピースブラシで汚れを落とす
水洗いや次にご紹介するブラスソープでの洗浄と一緒に、マウスピース専用ブラシを使うとさらに汚れが取れます。
ヤマハから発売されている「マウスピースブラシ MPBS2」は、天然毛を使用したマウスピースに負担が少ないブラシです。
毎日使用する必要はありませんが、時間がある場合はブラシを使用してマウスピースを洗浄しましょう。
ヤマハのマウスピースブラシはSサイズとLサイズがあり、私はユーフォニアムを吹いているためLサイズを使用しています。
定期的にブラスソープで洗浄
金管楽器には専用の洗浄ソープがあり、日本ではヤマハのブラスソープを使用している人が圧倒的に多いです。
私も昔から愛用しています。
今回はマウスピース洗浄のソープとしてご紹介しますが、金管楽器の管内洗浄にも使用可能です。
1~2ヶ月に1回の管内洗浄で、マウスピースも一緒に洗うことがおすすめ!
ヤマハのブラスソープBS2を使用したマウスピースの洗浄方法は、以下のとおりです。
- ブラスソープ1:30~40℃のお湯を10~15を混ぜ合わせる
- マウスピース用ブラシを1で作った液体に浸し、マウスピースのシャンクに出し入れして洗浄する
- 汚れがひどい場合は、マウスピースを1で作った溶液に約30分漬け置きする
- 洗浄後はしっかり水洗いをする
- 水分を柔らかい布(ガーゼやクロス)でふきとる
肌が弱い人はポリエチレン手袋や、ゴム手袋を着用して洗浄することがおすすめです。
ブラスソープによるマウスピースの洗浄は何ヶ月に1回という基準はとくにないため、2ヶ月に1回程度でOK!
頑固な黒ずみは歯磨き粉
ブラスソープで作った溶液に漬け置きしても、ブラシで洗浄しても汚れが取れない……。
最終手段はなんと歯磨き粉!
まずご了承いただきたいのですが、歯磨き粉によるマウスピース洗浄は楽器メーカーから公式に推奨されているものではありません。
自己責任で行っていただきますようお願いいたします。
歯磨き粉で洗浄なんて想像がつかない!
歯磨き粉によるマウスピース洗浄は、洗浄といようり黒ずみをとるための方法です。
マウスピースの中が黒ずんでいる人はいませんか?
マウスピースの素材の特製で、黒ずんでしまうのは仕方のないこと。
しかし楽器を吹くときにマウスピースの中が黒ずんでいると、あまり良い気分はしませんよね。
以下は歯磨き粉を使ったマウスピースの汚れをとる方法です。
- マウスピースを軽く水洗いする
- 歯磨き粉を1cm程度出して、黒ずみが気になる部分にぬる
- 指でこすって黒ずみをとる
- しっかり水洗いして歯磨き粉を落とす
使用する歯磨き粉は家にあるもので構いませんが、研磨剤の粒子が大きいものはあまりおすすめしません。
なぜなら、目立つ傷の原因になる可能性があるからです。
できる限り、歯磨き粉は研磨剤が細かいものを選びましょう。
【番外編】マウスピーススプレー
マウスピース専用の洗浄スプレーは、水が無くて洗えない状況のときに役立ちます。
容量は100mlのため、楽器ケースに入れて持ち運べるサイズ感。
ヤマハ「マウスピースクリーナー MPC3」は汚れをふき取れるほか、除菌効果(一部)があるためいつものお手入れにプラスするのもいいですね。
以下はマウスピースクリーナーを使ったマウスピースの洗浄方法です。
- マウスピースにマウスピースクリーナーを直接吹きかける
- やわらかい布(クロスやガーゼ)で汚れをふきとる
- シャンク内は、マウスピースブラシを使って汚れをとる
- マウスピース用スワブを使い、シャンク内の水をふきとるとなお良し
シャンク内は細いため、マウスピース用スワブを使用して水気をふきとることがおすすめ!
ヤマハ「マウスピーススワブ」はS・M・Lサイズがあります。
マウスピースを清潔に保つためには、毎回の水洗いはもちろん、専用の洗浄アイテムを定期的に使って洗いましょう。
トランペット・ホルンはSサイズ、トロンボーン・ユーフォニアムはMサイズまたはLサイズ、チューバはLサイズが合います。
まとめ
- マウスピースを吹く前に、リップロールができるか確認しよう
- マウスピースの吹き方は、楽器を吹くときの口の形「アンブシュア」を作って唇を振動させる
- 金管楽器上達の近道は、マウスピースの練習
- マウスピースの練習は、グリッサンドや音とりなどで楽しくやろう
- 楽器を吹き終わったら、必ずマウスピースを水洗い
- 専用の洗浄アイテムを使って、マウスピースを清潔に保つ
金管楽器のマウスピースは吹き方が難しいと思うかもしれませんが、リップロールができれば誰でも音は出せます。
上手く音が鳴らないと悩んでいる人は、リップロールから少しずつ慣れていきましょう。
そして楽しく楽器を演奏し続けるためには、マウスピースのお手入れをして楽器も大切に!
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