ドイツ音名のベーやベー管ってなに?一覧表を使ってさくっと解説♪

2022年4月28日

中学校や高校の吹奏楽部に入部した途端、ドレミではなくベーやツェーといった聞いたことのない言葉がいきかっていて頭の中は大混乱…。

しかしベーやツェーと呼ぶドイツ音名は、楽譜の音と照らし合わせた一覧表を使えば簡単に覚えられます!

吹奏楽部でよく使われるドイツ音名は「ベー」。

まず基本のベーは、私たちが良く使っているドレミのイタリア音名では何の音かをご紹介します。

本記事のドイツ音名の一覧表を使って覚え、楽器のベー管についてもさくっと理解していきましょう!

ドイツ音名のベーはピアノで弾くとシ♭!鍵盤の画像付

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ドイツ音名、中学・高校の授業では耳にすることは少ないかもしれませんが、楽器をやっている人なら一度は耳にしたことがあるはず。

よく聞く「ベー」はドイツ音名で、日本人が普段使っているイタリア音名(ドレミ)で言うと「シ♭」のことなんです。

ドイツ音名のベーはシ♭
ピアノ鍵盤でのベー(シ♭)の位置

ベーはドじゃないの!?

ベーはよく使われるのでドと思われがちですが、実は違います。

では誰もが知っている「ドレミファソラシ」は、ドイツ音名ではどのような名前で呼ぶのでしょうか?

基本のドイツ音名と、#や♭がついた場合のドレミファソラシをまとめたのでチェックしてみてください♪

ドはツェー!?ドイツ音名のドレミファソラシ

ベーはドではなくシ♭であるため、ドはドイツ音名では違う呼び方をします。

イタリア音名(ドレミ)のドは、ドイツ音名では「ツェー」と言います!

思い込みでドはベーだと思っていた人は、頭を切り替えて覚えましょう。

基本のドレミファソラシは、ドイツ音名では以下のとおりです。

ドイツ音名でのドレミファソラシ
調号なしのイタリア音名とドイツ音名

ドイツ音名のツェーは「C」と書き、それぞれの音はアルファベットを用いた表示名です。

上記画像のピアノ譜に書かれた音階(ドレミファソラシ)は基本の音階。

イタリア語・Do maggiore(ド マジョーレ)、ドイツ語・C dur(ツェー ドゥアー)、英語・C major(シー メジャー)、日本語・ハ長調と呼びます。

日本人は音名をイタリア音名であるドレミで呼ぶことが多いですが、音階の呼び名ではイタリア語を使用することはほとんどありません。

実際によく使われる音階の呼び方は、日本語、ドイツ語、英語が多いです!

音階の基本であるハ長調はドイツ音名でC dur(ツェードゥアー)と呼び、ドレミファソラシはCDEFGAHであることが分かりましたね!

戻るドイツ音名で言うベー管とは楽器の調性のこと!

#や♭がつくとどうなる?

調号がない場合のドイツ音名は分かりましたが、#や♭がつくと呼び名が変わります。

ドイツ音名の場合、#がつくと「is」♭がつくと「es」が基本の音名に追加された呼び名になり、法則性があるため意外と覚えやすいです!

基本のイタリア音名(ドレミ)とドイツ音名に加えて、#と♭がついた場合の呼び名は以下のとおりです。

ドイツ音名での#と♭の呼び名
基本的に#はis、フラットはesがつく

CisもDesも結果的には同じ音ですが、楽譜の調によって表記の仕方が変わることからひとつの音に対して二つの呼び名があります。

C(ツェー)に#がつくとCis(チス)になり、D(デー)に♭がつくとDes(デス)になる、意外と簡単ですね!

ただし例外があります。

法則とは違う例外の音
  • E(エー)の♭…EesではなくEs(エス)
  • A(アー)の♭…AesではなくAs(アス)
  • H(ハー)の♭…HesではなくB(ベー)

音楽の授業で必要になる機会は少ないですが、音楽をやる人はドイツ音名を覚えていないと不便に感じることも…。

ドイツ音名はドレミに対してどんな呼び名なのか、これが分かると吹奏楽やバンドなどで非常に役立ちます。

ドイツ音名の読み方一覧表!これを使って覚えよう

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ドイツ音名の読み方を覚えるためには、一覧表を使うことが一番手っ取り早いです。

私は初心者の頃、一覧表ということは思いつかず曲を吹けるようになることに必死で、楽譜にBCD…と書き込んでいました。

読み方が不安なうちは楽譜に書き込んでもOKですが、非常に手間がかかる作業なので、早くドイツ音名を覚えることをおすすめします。

吹奏楽部では、ドイツ音名を使って指導されることがほとんど!

今回はスキマ時間や移動のときなどに使えるドイツ音名の読み方一覧表を作成しました!

私が楽器を始めた初心者の頃にほしかったなと思う内容が詰まった一覧表になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

ドイツ音名の一覧表(ト音記号とヘ音記号)

ト音記号とヘ音記号の2つで、ドイツ音名一覧表を作成しました!

自分が覚えるために、本記事に掲載したドイツ音名の読み方一覧表を印刷して活用するのはOKです。
※商用利用や配布はNG

順に音が並んだ状態でドイツ音名が分かるようになっても、まだ曲を演奏するときにパッとドイツ音名を言えるようになるのは難しいと思います。

慣れないうちはたとえば一段ごとの頭の音や、基準の音を作ってその音だけドイツ音名を書くなどして、読みやすくしてみましょう。

徐々に書かなくても読めるようになってくるはずなので、焦らず覚えてくださいね。

ドイツ音名で言うベー管とは楽器の調性のこと!

「ドイツ音名で言うベー管とは楽器の調性のこと!」の見出し画像

とくに吹奏楽をやっている人は「ベー管」や「ツェー管」などの言葉を聞いたことがあるはずです。

まずドイツ音名について分からな人は、本記事のドはツェー!?ドイツ音名のドレミファソラシを読むことをおすすめします。

ベー管とは「B管」や「B♭管」と書き、楽器の調性を表しています。

管楽器の調性とは

楽器の調性とは楽器の基準となる調性のことで、ピアノを基準にし、ツェー(C)管以外はすべて移調楽器と呼ばれます。

ピアノは白い鍵盤だけをひくと、ハ長調(C dur)になるからです!

よく吹奏楽部で起こる現象があります。

たとえばトランペットとアルトサクソフォンの人にドの音を吹いてと言うと、それぞれ違う音が出てしまいます。

トランペットからはシ♭、アルトサクソフォンからはミ♭の音が出ます。

同じドの音を出してほしいのに違う音が出る現象は、それぞれの楽器の調性が異なるにもかかわらず、基準の音=ドと考えているからです。

音楽の専門家である人は少し違和感のある説明かもしれませんが、私も最初はこの考え方でした。

つまりトランペットはベー管(B管)のためドと言われるとシ♭、アルトサクソフォンはエス管(Es管)のためミ♭が出るということ。

吹奏楽でイタリア音名ではなくドイツ音名が使われる理由は、楽器の調性が異なることから混乱を防ぐためと言っても過言ではありません。

確かに音楽の授業ではドレミなのに、吹奏楽部ではベー・ツェー・デーって言われる!

音大に通っていたり音楽を専門に仕事をしていたりする人は調性を理解しているため、ドは何管であってもツェー(C)の音を出します。

なかにはドはドだから、ド違う音を出す意味が分からないなんて人もいるかもしれません(笑)

プロを目指さない限りは、ベー管シ♭ドレ(実際に出ている音)をドレミと考えて吹くことは問題ないです。

ベー管の管楽器一覧

吹奏楽ではベー管の管楽器が最も多いことから、合奏のチューニングではベーが用いられます。

吹奏楽で主に使われる管楽器のなかで、ベー管は以下のとおりです。

ベー管(B管)の管楽器
  • クラリネット
  • バスクラリネット
  • ソプラノサクソフォン
  • テナーサクソフォン
  • トランペットinB
  • コルネットinB
  • フリューゲルホルン
  • フルダブルホルン
  • トロンボーン
  • ユーフォニアム
  • テューバinB

※クラリネット、トランペット、コルネット、テューバは違う調性もありますが、基本的に吹奏楽ではベー管の出番が多いです。

一覧から分かるように、やはり吹奏楽ではベー管の楽器が多いことが分かります。

ホルンは他にも種類がありますが、現代ではフルダブルホルンが主流で、ベー管とエフ管の調性が独立してついています。

ツェー管の管楽器

吹奏楽で主に使われる管楽器のなかで、ツェー管は以下のとおりです。

ツェー管(C管)の管楽器
  • オーボエ
  • フルート
  • ファゴット

オーボエやフルートなどのツェー管はピアノと同じ調性のため、ピアノ譜をそのまま吹いても記譜音と実音が一致します。

記譜音は楽譜に書かれた音、実音は実際に出る音のこと!

そのほかの管楽器

吹奏楽で主に使われる楽器のなかで、ベー管とツェー管以外の調性は以下のとおりです。

エフ管(F管)の管楽器
  • コールアングレ
  • フルダブルホルン

※フルダブルホルンはエフ管とベー管2つの調性が機能

コールアングレはオーボエの仲間で、大編成の吹奏楽で用いられる管楽器です。

エス管(Es管)の管楽器
  • クラリネットinEs
  • アルトクラリネット
  • ソプラニーノサクソフォン
  • アルトサクソフォン
  • バリトンサクソフォン
  • テューバinEs

吹奏楽では、ベー管の次にエス管の管楽器が多いです。

アー管(A管)の管楽器
  • オーボエダモーレ
  • クラリネットinA

オーボエダモーレはオーボエの仲間で、アー管のクラリネットは大編成の吹奏楽で用いられることがあります。

今回は吹奏楽で主に使われる管楽器の調性を紹介しましたが、クラリネットやテューバなど、ひとつの楽器に対して複数の調性ががあるものもあります

調性は管楽器だけではなく、鍵盤楽器、弦楽器などにも存在!

同じ調性同士の楽器であれば、楽譜を移調せずに共有できることがほとんどですが、調性が異なると難しいです。

調性が異なる楽器と楽譜を共有したり、音について話し合ったりする場合はドイツ音名で会話しましょう!

まとめ

  • ドイツ音名のベー(B)はシ♭で、ハー(H)がドの音
  • ドイツ音名の場合#はis、フラットはesをつける
  • まず一覧表を使ってドイツ音名を覚えよう
  • 一覧表を覚えてきたら、楽譜に応用する
  • ベー管とはB管またはB♭管と書き、楽器の調性を表している
  • 音階を演奏できる楽器は調性があるため、ドイツ音名で話すことが無難

文字で書くとただのアルファベットですが、言葉にするとベーやツェー。

ドイツ音名は初めて聞くと難しいというイメージを持ってしまいますが、本記事の一覧表で英単語を暗記するような感覚で覚えてみてください。

基本の名前を覚えれば#や♭は法則性があるので、意外と覚えやすいですよ。