ユーフォニアムの特徴は?音色・音域・歴史などを初心者向けに解説!
ユーフォニアムは、アニメ『響け!ユーフォニアム』のおかげで一般の認知度が少しずつ上がってきました!
この記事にたどり着いたあなたは、もっとユーフォニアムの特徴を知りたいと思っているのではないでしょうか。
私は中学・高校・音大までユーフォニアムを演奏し続け、ユーフォニアムの特徴を知り尽くした人間です。
今回は初心者の人やユーフォニアムを知らない人向けに、さくっと読めるユーフォニアムの特徴をまとめてみました。
ユーフォニアムの特徴を3つに分けてお教えします!
吹奏楽経験者の人はユーフォニアムをご存じだと思いますが、同じ金管楽器のトランペットなどと違ってまだまだ知名度の低い楽器。
ユーフォニアムの特徴と言われてもパッと思いつかないな……。
大人になった今でもユーフォニアムを「知らない」「どんな特徴があるの?」と言われることが多く、悲しいです……。
この章では、ユーフォニアムの特徴を音色・見た目・活躍の場にわけてご紹介します!
音色
ユーフォニアムは丸みのある暖かい音色。
包み込んでくれるような音色は、吹いても聴いていても癒されます。
吹奏楽ではオブリガート(副旋律、裏メロディとも言う)を担当することが多く、メロディーの裏で流れる美しい音は聴きどころ。
私は、男性の低い声のような落ち着きのあるユーフォニアムの音色に惹かれています。
見た目
ユーフォニアムは、金管楽器のなかでテューバの次に大きい楽器です。
抱え込むような姿勢で吹き、腕の中におさまる姿は可愛らしい……。
ぐるぐると巻かれた管は美しい曲線で、温かみを感じます。
楽器本体の重さは約5kgですので、生後1ヶ月~2ヶ月の赤ちゃんと同じです。
ベルは上向きでピストンが3つまたは4つついており、4つ目のピストンは楽器から飛び出るようにしてついているものもあります。
色はゴールドかシルバーが多いですが、ベルの中だけゴールドで他はシルバーだったり、ピストンの部分に装飾があったりとデザインはさまざま。
私は、ウィルソンの2900TAインナーゴールドを愛用しています。
活躍の場
ユーフォニアムは吹奏楽、ブリティッシュブラスバンド、ソロで活躍しています。
吹奏楽ではオブリガートを演奏することが多いですが、ユーフォニアムは「いいとこどり」としても有名。
メロディー、伴奏、リズム打ち、さらにはソロを吹くこともあります。
ブリティッシュブラスバンドは英国式の金管バンドのことで、「サクソルン属」、トロンボーン、打楽器で構成されています。
ユーフォニアムはサクソルン属に含まれ、ブリティッシュブラスバンドで吹奏楽とは違った金管楽器らしい魅力を発揮します。
サクソルン属とは、アドルフ・サックスが発明した複数の楽器です!
ソロで活躍するユーフォニアム奏者も多く、ユーフォニアムのためのソロ曲がたくさん作られています。
残念ながらオーケストラでは使用されることはほとんありません。
オーケストラでユーフォニアムが使われる珍しい曲は、イギリスの作曲家ホルストの管弦楽曲『組曲「惑星」』です。
テナーテューバのパートをユーフォニアムで演奏されることが多いです。
ユーフォニアムの音域を五線譜を使ってご紹介♪
ユーフォニアムの音域はヘ音記号で書かれることが多く、ト音記号で書かれることもあります。
他の金管楽器と比較すると、トロンボーンとほぼ同じ音域です。
実はマウスピースのサイズもほとんど同じなんです♪
この章では、ユーフォニアムの一般的に使われる音域とプロの音域を五線譜に書いてご紹介します。
一般的に使われる音域
中学・高校の吹奏楽で使われる音域は、Fの2オクターブくらいで、高音域はその上のGやGesが出てくることもあります。
下の音域はFより下を見ることはほとんどなく、あったとしてもEsくらいまで。
基本的にはFの2オクターブが吹けていれば、問題なく吹奏楽曲を吹けます!
プロの音域
プロの音域になると、その奏者が出る音域までといったイメージです。
私が音大で演奏したユーフォニアムのためのソロ曲、フィリップ・スパーク作曲「パントマイム」は、ハイEsが最高音でした。
音大生などがソロコンクールで演奏する曲レベルになると、高音はハイEsまで吹けるのが理想です。
下の音域は、アンサンブルの曲で「ローC(ツェー)」が出てきた記憶がありますが、そこまでの低音が出てくるのはまれです。
私は、基礎練習では「ローH(ハー)」まで出していました。
ユーフォニアムの歴史を勘違いしている人が多い!?
ユーフォニアムは歴史が浅い楽器、新しい楽器と言われます。
しかし、その詳しい歴史を正確に知っている人は少ないです。
ユーフォニアムの歴史は複雑で、同時期に違う国で似たような楽器が作られました。
今回はややこしいユーフォニアムの歴史を、私が考える視点をもとに解説します!
ゾンマーが発案したEuphoniumが起源
ユーフォニアムは、アドルフ・サックスが発明者だと思っている人は多いのではないでしょうか。
確かにそのように書かれている管楽器関連の本や歴史本はありますが、起源はアドルフ・サックスが発明した楽器ではありません。
ドイツ・ヴァイマールの演奏家フェルディナント・ゾンマーが、自分のソロ楽器として発案した「ゾンメロフォン」がユーフォニアムの起源。
まず、ゾンメロフォンが作られた歴史をたどっていきます。
ゾンマーはヨハン・モリッツが制作した「テナーテューバ」などをもとに、1843年、ゾンメロフォンを発案しました。
1844年、ゾンメロフォンを製作したウィーンのフランツ・ボックが改良を加え、Euphonion(オイフォニオン)を作りました。
その後、オイフォニオンは一般向けに製造・販売されたのです。
ゾンマーが1851年のロンドン万国博覧会にて、オルガン伴奏でソロリサイタルをした記録が残っています。
オイフォニオンはゾンメロフォンのボアを太くしたもので、Euphonium(ユーフォニアム)に近い楽器。
そのため、ゾンメロフォンを起源に、オイフォニオンがユーフォニアムの始まりと言えるでしょう。
サックスはバスサクソルンを発明
一方、フランス・パリのアドルフ・サックスは別の流れで、「サクソルン属」という低音から高音まで同属楽器でフォローする楽器を製作。
そのサクソルン属のなかに、「バスサクソルン」という楽器が存在します。
そのころウィーンで発明されたオイフォニオンの人気が出始めました。
オイフォニオンと同じ音域だったバスサクソルンをEuphonium(ユーフォニアム)として売り出した結果、大好評を得ました。
その後イギリスではユーフォニアムがブリティッシュブラスバンドで重要な存在となり、イギリスでもユーフォニアムの改良が続けられました。
イギリスで発展したユーフォニアムが、現代のユーフォニアムになったとも言われています。
つまり、ユーフォニアムの歴史はまだまだ不明瞭な点が多いです。
これからも調べ続けたいと思います!
まとめ
- ユーフォニアムは丸みのある暖かい音色で、抱えるようなサイズ感
- ユーフォニアムの音域はFの2オクターブが吹ければ、大抵の吹奏楽曲は吹ける
- ユーフォニアムの起源はゾンメロフォン
ユーフォニアムは初心者にも吹きやすい楽器で、親しみやすいです。
朗々と響く魅力ある音色は、誰もが癒されるはず。
この記事でユーフォニアムの魅力や歴史に触れて、今後の音楽活動に役立つと嬉しいです♪
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