金管楽器と木管楽器の違いが一発で分かる!難しい管楽器はどれ?
金管楽器と木管楽器の違いは、「金属か木材で作られているか」と思っている人はいませんか?
実は、金管楽器と木管楽器の違いは材質ではありません!
なんとなく金管楽器と木管楽器の違いが材質ではないと分かっていても、見分け方が分からなくて曖昧な人が多いのではないでしょうか。
今回は、一発で金管楽器と木管楽器の違いが分かる見分け方をご紹介し、吹奏楽で使われる管楽器の特徴や難易度が高い管楽器をお教えします。
金管楽器と木管楽器の違いを分かりやすく解説!
現代の管楽器は金属製が多く、木管楽器=木材ではありません。
え!?ややこしくて見分け方が分からない……。
この章では、楽器のここを見れば金管楽器か木管楽器か一発で分かるという違いをお教えします!
音の出し方で見分ける
金管楽器と木管楽器は、音の出し方に違いがあります。
それぞれの管楽器の口元に注目してみてください。
一番簡単な見分け方は、「マウスピース」に口をあてて唇を震わせて音を出しているかどうかです!
金管楽器は唇を震わせて音を出す
金管楽器は、マウスピースと呼ばれるものに口をあて、そのなかで唇を震わせて音を出します。
よく金管楽器と間違われるのは「サクソフォン」です。
サクソフォンは確かに真ちゅう(金属)で作られていますが、音を出すときに「シングルリード」と呼ばれる葦(よし)でできた板を使用します。
プラスチックのマウスピースにシングルリードを付け、それをくわえて音を出すので、金管楽器ではありませんね。
唇を震わせて音を出すのが金管楽器で、楽器の材質は関係ないことを覚えておきましょう!
木管楽器はリードで音を出す
木管楽器は、「シングルリード」「ダブルリード」「ノンリード」で音を出します。
リードとは「葦(よし)」から作られた破片で、「シングルリード」と「ダブルリード」の2種類があります。
- クラリネット属
- サクソフォン属
クラリネット属とサクソフォン属は、プラスチック製のマウスピースに「リガチャー」というネジのようなものでシングルリードを固定します。
それをくわえて吹くことによって、シングルリードが振動して音が出る仕組みです。
- オーボエ属
- ファゴット属
オーボエ属は楽器上部の「吹口部(すいこうぶ)」にダブルリードを直接挿し、ファゴット属は取り外しができる「吹口管」に挿しこみます。
ダブルリードをくわえて、2枚のリードを振動させて音が出る仕組みです。
あれ?じゃあフルートは何楽器なの?
フルートは唇を震わせて音を出さないので、金管楽器ではありません。
ということは、木管楽器ですね!
シングルリードやダブルリードではなく、フルートは自分の口がリードになって音を出すため、「ノンリード」と呼ばれます。
金管楽器と木管楽器の違いを見分けるポイントは、 マウスピースに口をあてて唇を震わせて音を出しているかどうか。
そのポイントで見分ければ、ややこしく考えず木管楽器と判断できますよね。
金管楽器と木管楽器の種類をご紹介!吹奏楽編
吹奏楽で使われる金管楽器と木管楽器、すべてご存じですか?
吹奏楽部に入ったばかりの人や、それぞれの特徴がよく分からない人は、ぜひ参考にしてみてください♪
この章では、吹奏楽の定番管楽器から少し珍しい管楽器もご紹介します。
金管楽器
吹奏楽のスコア順に、吹奏楽では定番の金管楽器、大編成で用いられることがある金管楽器をさくっとご紹介します。
トランペット
トランペットは金管楽器の花形で、輝かしい明るく華やかな音が魅力です。
吹奏楽ではおもにメロディーを担当することが多く、マーチなどではかっこいいファンファーレが特徴的。
基本的に吹奏楽でのパートは1番~3番まであり、ハーモニーを奏でることもあります。
トランペットの歴史は古く、数千年以上さかのぼります。
宗教的な儀式→軍楽と歴史を積み重ね、合奏で使われるようになったのは17世紀ごろ。
初期のトランペットは長い管の先にラッパがついた単純な作りで、唇や息の速さを変えて倍音(ばいおん)を出していました。
ホルン
ホルンは柔らかい音色ですが、ベルに入れる右手の入れ具合(ゲシュトップ奏法)で金属音のような音も出ます。
基本的に吹奏楽でのパートは1番~4番まであり、ハーモニーを担当することが多いです。
ホルンの起源は角笛で、古代の人が狩猟で獲った獣の角を吹いて楽器にしたと言われています。
18世紀半ばにゲシュトップ奏法が確立され、それまで自然倍音しか演奏できなかったのが、全音階や半音階を演奏できるようになったのです。
19世紀ごろには、バルブシステムの発明が相次ぎ、3バルブのシングルホルンが一般的になりました。
現代ではホルンは3種類あり、最も普及しているのは、フルダブルホルンです。
- シングルホルン(B管またはF管)
- セミダブルホルン(B♭が基調。Fはあくまでも補助的に使用)
- フルダブルホルン(F管とB♭管、2つの調が1つの楽器に配置されている)
トロンボーン
トロンボーンは、金管楽器のなかで唯一スライドで音程を変える楽器。
複数のトロンボーンによるfは圧巻の迫力ですが、甘い柔らかい旋律も得意です。
吹奏楽ではハーモニーを担当することが多く、スライド楽器ならではのグリッサンドも魅力。
現在の「トロンボーン」はもともと「トランペット」を意味する言葉で、トロンボーンがトランペットの親戚として考えられていたのでしょう。
トロンボーンは15世紀中ごろに生まれたと言われ、教会、軍楽などさまざまな場所で不可欠な楽器でした。
テナートロンボーンが基本の形ですが、高校生以上ではテナーバストロンボーンが主流で、さらに管が太いバストロンボーンもあります。
ユーフォニアム
ユーフォニアムは、丸みのある暖かい響きが魅力の楽器。
吹奏楽ではオブリガート(助奏、裏メロディーとも言う)を担当することが多いですが、伴奏やメロディーなど、何でも屋として有名。
ユーフォニアムの起源は諸説ありますが、私はドイツ・ワイマールの演奏家ゾンマーが開発した「ゾンメロフォン」が起源と考えています。
その後1851年に、「Euphonium(ユーフォニアム)」として世間に発表されました。
よく言われるのはサクソフォンを発明したアドルフ・サックス説。
しかし、ゾンマーと同時期に似た形の楽器を発明したことから、ユーフォニアムの歴史は非常に複雑。
現代のユーフォニアムは、学校の備品ですと3本ピストンのものもありますが、4本ピストンを選ぶ人が増えてきています。
テューバ
テューバは響きの多い音が魅力で、金管楽器のなかで最低音を受け持ち、縁の下の力持ちです。
ラテン語の「Tubus(トゥブス)」がテューバの由来と考えられ、中世からはラッパ全般を表す言葉として使われていました。
1835年ドイツ人の軍楽隊長ヴィープレヒトと、ベルリンの楽器製作者モーリッツが特許を取得した「バステューバ」が祖先と言われています。
現代使われているテューバは、6種類あります。
- Bテューバ
- Cテューバ
- Esテューバ
- Fテューバ
- スーザフォン
- マーチングテューバ
他にもシステムがロータリーとピストンの2種類あったり、アクション(ベルの向きやピストンの位置)もいくつか種類があったりします。
国によってよく使われる種類や、体の大きさによって選ぶ方法も!
木管楽器
吹奏楽でよく用いられる木管楽器を、「〇〇属」にわけてご紹介します。
もしかすると、初めて知るという木管楽器があるかもしれません!
フルート属
フルートは暖かい音色で可愛らしさもあり、管楽器のなかで大人気の楽器。
吹奏楽ではメロディーを担当し、大合奏のなかでソロとして用いられることもあります。
「フルート」はもともと横笛にも縦笛にも使われていた言葉で、リコーダーもフルートと呼ばれていました。
現代、吹奏楽で使われているフルートは4種類あります。
- ピッコロ
- コンサートフルート
- アルトフルート
- バスフルート
ピッコロは、コンサートフルートよりも1オクターブ高く半分の大きさで、みなさんがよく言うフルートは、コンサートフルートのこと。
アルトフルートやバスフルートは、大編成の吹奏楽で使われることがあります。
クラリネット属
クラリネットは軽快な音で運動性があり、吹奏楽ではメロディーを担当することが多く、パートは基本的に1番~3番まで。
18世紀初頭、ニュルンベルクの楽器製作者ヨハン・クリストフ・デンナーによって発明されたと言われています。
現代のクラリネットは同属楽器が多く、おもに吹奏楽で使われるのは5種類。
- Bクラリネット
- Aクラリネット
- Esクラリネット
- アルトクラリネット
- バスクラリネット
吹奏楽で主流なのはBクラリネットで、Aクラリネットはオーケストラではなくてはならない存在ですが、吹奏楽で使われるのはまれです。
Esクラリネットは大編成の吹奏楽で用いられることがあり、Bクラリネットよりも完全4度高く、高音で音程を取るのが難しい……。
アルトクラリネットとバスクラリネットも、大編成の吹奏楽で用いられます。
オーボエ属
オーボエはねっとりとした独特な音色が魅力で、コンサート会場などでよく響く楽器です。
吹奏楽ではメロディーを担当し、ソロ楽器としてよく用いられます。
オーボエはフランスでは「Hautbois」と表記され、「高い音の木」の意味!
17世紀の中ごろにフランスで生まれたと言われており、そこから進化したドイツ式のオーボエがヨーロッパに広まりました。
その後も改良は続き、フランスで開発された新しいキィシステムは「コンセルヴァトワール式」と呼ばれ、現代では主流になっています。
オーボエ(inC)以外に「コーラングレー」というオーボエの完全5度低い同属楽器は、大編成でソロ楽器として使われることがあります。
英名では「イングリッシュホルン」と言われ、哀愁のある独特な音色が魅力です。
サクソフォン属
サクソフォン属で一般的なのはアルトサクソフォンで、艶のある音色をしており、クラシックからジャズまでさまざまな音楽で活躍しています。
吹奏楽ではメロディーを担当することが多く、ソロとしても用いられます。
サクソフォン属は現代使われている管楽器のなかでは珍しく、製作者がはっきりしています。
1840年代、アドルフ・サックスがサクソフォン属を発明しました。
現代の吹奏楽で使われているサクソフォン属は、6種類あります。
- ソプラニーノサクソフォン
- ソプラノサクソフォン
- アルトサクソフォン
- テナーサクソフォン
- バリトンサクソフォン
- バスサクソフォン
ソプラニーノとバスは大編成の吹奏楽で用いられることがありますが、見かけることは少ないです。
ファゴット属
ファゴットは独特な音色でそのキャラクターが確立されており、コミカルな音楽も得意です。
吹奏楽ではホルンとほぼ同じ音域で、伴奏やオブリガート、ときにはソロも担当します。
英語圏では、ファゴットを「バスーン(bassoon)」と表記します。
現代よく使われているファゴットはドイツ式で、ドイツの軍楽隊長カール・アルメンレーダーが改良に取り組みました。
吹奏楽では、ファゴット属の楽器は2種類使われています。
- ファゴット(ドイツ式)
- コントラファゴット
コントラファゴットは大編成の吹奏楽で用いられ、目にする機会は少ないです。
金管楽器と木管楽器それぞれで難易度が高いTOP3!
金管楽器も木管楽器も、極めようと思えばどれも難しい楽器です。
しかし、そのなかでも「そもそも音を出すことが難しい」「思った音を出せない」など、非常に難易度が高い楽器があります。
ランキングの基準は以下の通りです。
- 初めて吹く人が安易に音を鳴らすことが難しい
- 音程が取りくい
金管楽器
吹奏楽に使われる金管楽器はすべて吹いたことがあり、今回はその経験も参考にTOP3をご紹介します!
最後には最も難易度が低い楽器も発表しますよ。
No.1【ホルン】
- ひとつの指でさまざまな音が出る
- 音域が広い
- ゲシュトップ奏法がある
ホルンはひとつの運指でさまざまな音が出てることから、コントロールが難しく、音を外しやすい楽器です。
また「ゲシュトップ奏法」と呼ばれるホルン独特の奏法があり、ベルの中に右手を出し入れして音色や音程を変える必要があります。
私がホルンを吹いてみたときに驚いたのは、マウスピースの小ささです。
他の金管楽器とは違った特殊な形で、そもそも音を出すのに苦労しました。
ホルンらしい音を出すのにはかなり時間がかかると言われ、本物のホルンの音を聴いたときに鳥肌が立った記憶があります。
No.2【トランペット】
- マウスピースが小さいから
- ハイトーンを出すのが難しい
トランペットはマウスピースが非常に小さく、マウスピースの中でバズィングをするのが難しいです。
楽器の特徴からハイトーンを求められることが多く、あたらないと悩んでいるトランペット奏者の人も多いのではないでしょうか。
また個人的にはメンタルの状況が影響しやすい楽器だと思っており、不安や自信のなさが顕著に音に現れると感じています。
私がトランペットを吹いたとき、音はすんなり出たのですが音量を出すのが難しかったです。
さまざまな練習本を見ると、「まずはきれいな音をだすためにpから練習するとよい」と書かれているものが多かったですよ。
No.3【テューバ】
- 肺活量が必要
- 吹いてから音になるまでに時間がかかる
テューバは楽器自体が大きいので肺活量が必要になり、管の長さ・太さがあることから、吹いてから音になるまでに時間がかかります。
そのため、「テューバ遅れてるよ」と合奏で言われている現場をよく見かけます。
私がテューバを吹いたときに思ったのは、同じ音量で伸ばすことが難しい点で、縁の下の力持ちとして活躍するテューバの苦労を感じました。
逆に吹きやすい金管楽器はどの楽器なんだろう……。
金管楽器のなかで最も難易度が低い楽器はユーフォニアムで、マウスピースが大きすぎず小さすぎず、初めてでも音が鳴りやすい楽器なんですよ。
木管楽器
木管楽器のなかで難易度が高いTOP3をご紹介します!
体験程度ですが、吹奏楽でおもに使われている木管楽器は吹いたことがありますので、その経験も参考にしてランキング化してみました。
最後には最も難易度が低い楽器も発表しますよ。
No.1【オーボエ】
- そもそも音を鳴らすのが難しい
- 息が苦しくなる
- 音程が合わせにくい
- リードの扱いが難しい
オーボエはダブルリードの楽器で、そもそも音を出すのが非常に難しいです。
音が出せるようになっても、音の出るタイミングが遅れてしまったり音が上がりきらなかったりと、上達するまでに時間がかかります。
オーボエは管が細いため、息を吹き込んでも圧力がかかり息苦しくなりやすいです。
また音程が合わせにくいため、吹奏楽やオーケストラではチューニングの際、オーボエの音程に合わせることが多いです。
私がオーボエを吹いたときは、残念ながら音が出ませんでした……。
リードの扱いも難しく、オーボエ担当の人が合奏のとき、急に音が出なくなることがときどきあったのを覚えています。
No.2【ファゴット】
- リードの扱いが難しい
- 高音を出すのが難しい
- 音程が合わせにくい
ファゴットはオーボエと同じくダブルリードの楽器で、そもそも音を出すのが難しいです。
ダブルリードは、自分やその日の楽器の状態にあったものを選定しなければならないため、ファゴットはリード選びが命取りになります。
ファゴットは音域が広いわりに高音を出すのが難しく、音が裏返ってしまうこともしばしば……。
私はユーフォニアムなのでファゴットとオブリガートを吹く機会が多かったので、お互い音程を合わせるのが難しいなと感じていたはずです(笑)
No.3【フルート】
- 楽器を固定できるものがない
- 音程をとるのが難しい
- 肺活量がかなり必要
フルートにはすべり止めや指をひっかけるような部品がなく、自分の指と腕だけで支えるフォームです。
そのため正しい姿勢を維持するのが難しく、楽器が傾いてしまうと音程などにも影響が出てしまいます。
一見肺活量が必要なさそうに見えますが、フルートは楽器に吹き込んだ息がすべて楽器に入るわけではないため、非常に肺活量が必要。
私がフルートを吹いたときは一発で音が出ず、音を鳴らす位置を探すのに時間がかかりました。
逆に木管楽器で最も難易度が低いのは、アルトサクソフォンです!
発音がしやすく音も出しやすいことから、初めて楽器を吹く人でも挑戦しやすいのでおすすめ。
まとめ
- 唇を震わせて音を出していれば、金管楽器
- 金管楽器のなかで最も難易度が高いのはホルンで、音をあてるのが難しい
- 木管楽器の中で最も難易度が高いのはオーボエで、そもそも音を出すのが難しい
金管楽器と木管楽器の違いは、唇を震わせて音を出しているかどうかを見れば一発で見分けられますね!
難易度が高い管楽器をご紹介しましたが、どの楽器もそれぞれの魅力があり、極めていく楽しさもあります。
難易度は参考程度にして、自分が演奏したい楽器を選んで音楽を楽しみましょう♪
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