トランペットの特徴を知りたい人は集合!音色・音域・歴史などを紹介

2022年6月16日

「知っている金管楽器ってある?」と聞かれたら、多くの人は「トランペット」と答えるでしょう。

でも「トランペットの特徴ってなに?」と聞かれたら、答えるのは難しいかも…。

知名度の高いトランペットですが、どんな音なのか、どんな仕組みなのか、さらに歴史まで語れる人は少ないはず。

今回は今さら聞けないトランペットの基本的な特徴から歴史まで、さまざまな特徴をまとめました。

トランペットをこれから始めようと思っている人は、特徴を知って楽器選びの参考にしてみてください。

すでにトランペットを吹いている人でも、本記事意外と知らなかった事実か分かるかも!?

トランペットの特徴を今さら聞けない人必見!簡単解説

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本章では、トランペットの特徴を音色・見た目・活躍の場・仲間の楽器の4つにわけて、専門的な言葉ではなく簡単な表現で解説します。

金管楽器のなかで最も知名度の高いトランペット。

しかし、トランペットの特徴を具体的に言うのは意外と難しく、今さら聞けない…なんて人もいるのではないでしょうか。

ネットで秘密裏にトランペットの特徴を知って、「トランペットってね!」とぜひ周りの人にも話してみてくださいね。

注意事項

※トランペットはB管を使うことが多いため、本記事では「トランペット=B管トランペット」として解説します。

音色

トランペットは輝かしい音色が特徴で、金管楽器らしいパリッとした音が吹奏楽やオーケストラなどを華やかにしてくれます。

「トランペットってどんな音?」と聞かれたら「輝かしい華やかな音」と答えるのがよいでしょう。

曲全体のアクセントとして単独で用いられるときは、ファンファーレをはじめとする信号的な役割を果たします。

トランペットは他にも魅力的な一面があり、柔らかい音色を使った穏やかなフレーズも得意。

明るさと穏やかさ両方を兼ね備えているトランペットは、曲全体でさまざまな一面を見せてくれます。

強弱の幅が広いため、湧き上がるような喜びや堂々とした気持ちを表現するフレーズに使われることが多いです。

見た目

B管トランペットの各名称
B管トランペット

引用 ヤマハ

トランペットはベルが真っすぐ前に向いているため、直管楽器とも言われます。

よく見かけるのは金または銀色のトランペットで、クリアラッカー・ゴールドラッカー・金メッキ・銀メッキなど種類はさまざま。

マウスピースからベルの先までは約50cmですが、伸ばすとマウスピースを含めて約140cmの長さです。

さらに、3つのピストンにつけられた迂回管の長さが合計約60cmあるため、すべて合わせると約2mの管を使用しています。

金管楽器がぐるぐると管を巻いてるのは、木管楽器との違いのひとつだよ!

音を変えるときは第1~第3ピストンバルブを押したり離したりして、微調整は口で行います。

名前に「抜き差し管」と入っている部品は、管を入れたり数mm・数cm抜いたりすることで、音程を調節。

第1トリガーと第3トリガーは、トランペットならではの機能でただの指かけではありません。

第1トリガーは左手の親指で第1抜き差し管を、第3トリガーは右手の薬指で第3抜き差し管をスライドさせて、演奏中に音程を調節できます。

ラッパとも呼ばれるトランペットは、意外にもピストンバルブだけでなく、トリガーを使った音程調整もでき機能性のある楽器なんですね。

活躍の場

トランペットの活躍の場は幅広く、主に以下の形態で用いられます。

トランペットの活躍の場
  • オーケストラ
  • 吹奏楽
  • ジャズ
  • ブラスバンド
  • マーチング
  • スタジオミュージシャンなど

トランペットはオーケストラやマーチングなど、屋外問わず活躍しています。

海外ではお祝いごとの式でファンファーレを演奏することもあるよ!

演奏形態によって使われるトランペットの種類は異なりますが、主にメロディを担当。

オーケストラや吹奏楽などでは、パートが1番~3番までにわかれる場合が多く、ハーモニーを奏でることもあります。

仲間の楽器

本記事では「トランペット=B管トランペット」として解説しておりますが、仲間の楽器がたくさんあります。

B管トランペットの仲間
  • C管トランペット
  • Es管トランペット
  • F管トランペット
  • ロータリートランペット(B管・C管)
  • ピッコロトランペット(A管・B管・C管)
  • アルトトランペット(F管・Es管)
  • バストランペット(C管)
  • アイーダトランペット(H管、As管)
  • フリューゲルホルン
  • コルネット(B管・Es管)など

上記以外にも調性の異なるトランペットや仲間の楽器があり、音域や音色が違うものもあります。

吹奏楽やアンサンブル曲などで用いられることがあるピッコロトランペットは、通常のトランペットよりも1オクターブ上の音域です。

ロータリートランペットは、ウィーンやドイツで活躍した作曲家のオーケストラ曲で使われることが多く、柔らかい音と響きの良さが特徴。

バストランペットはトロンボーン奏者が持ち替えすることもあり、低音域の楽器です。

アイーダトランペットは、ベルディ作曲の歌劇『アイーダ』の「凱旋(がいせん)のマーチ」を吹くための楽器なんだって!

コルネットやフリューゲルホルンは、大編成の吹奏楽やアンサンブル曲で持ち替え楽器として用いられることがあります。

トランペットの音域を五線譜でご紹介!一般編とプロ編

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B管トランペット(以下トランペットと呼ぶ)は、基本的にト音記号で書かれます。

主に使われる金管楽器のなかではトランペットが最も高い音域で、フリューゲルホルンやコルネットもほとんど同じ。

今回は一般的に吹奏楽やオーケストラで演奏する際に必要な音域と、プロが演奏するような曲で使われる音域をご紹介します。

一般的な音域

トランペットの一般的な音域
五線譜で表した音域

吹奏楽部やアマチュアで活動しているトランペット吹きであれば、五線譜下第3線から上第2線までがよく使われる一般的な音域です。

ドイツ音名で言うと、下のE(エー)からハイB(ベー)までの音域。

実音だと、下のミ#からチューニング音のさらに1オクターブ上のシ♭まで!

中高で演奏する吹奏楽やアンサンブルでは、トランペットならハイBまで出るのが理想です。

ハイBまで出れば、選ぶ曲の種類が増えより楽しく演奏できます。

十分必要な音域に達していることから、一般的な音域をクリアできれば満点の100%です。

プロの音域

トランペットのプロの音域
五線譜で表した音域

プロのトランペット奏者であれば、五線譜の下第3線から上第2線よりさらに1オクターブ上までの音域を出せる人が多いです。

ドイツ音名で言うと、下のE(エー)からダブルハイB(ベー)までの音域。

実音だと下のミ#からチューニング音(B)のさらに2オクターブ上のシ♭まで!

オーケストラや吹奏楽などの場合はハイBくらいまでの高さが多いですが、スタジオミュージシャンはさらに上の高音域を頻繁に使っています。

活躍する場によって求められる音域が異なっているんだね。

トランペットをはじめとする金管楽器は、ピストンバルブだけでなく音程をアンブシュアや息のコントロールで調整します。

トランペットにおけるプロの音域はダブルハイBまでと紹介しましたが、上限はあってないようなもの。

プロの音域に達している場合は、150%の達成率です。

以下は美しく高音域を出すための豆知識なので、参考にしてみてください。

高音域を美しく出すためには

トランペットに限りませんが、たとえばハイBを美しい音で鳴らすためにはハイDまでを鳴らせるようにしてみましょう。

ハイBを美しく鳴らしたいのにもかかわらず、限界の音域がハイBだと美しい音を鳴らすのは難しいです。

音域はあくまでも目安ですが、広ければ広いほど演奏できる曲が増えるため少しずつ鍛えていきましょう。

トランペットの歴史はホルンと関係している!?

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トランペットとホルンの歴史は密接に関係しており、その起源を正確に区別するのは難しいです。

唇を振動させて音を出す仕組みは、トランペットもホルンも同じ。

中世以前の段階では、金管楽器の種類は明確に区別されていませんでした。

それでは現代のトランペットに至るまでの歴史を見ていきましょう。

トランペットの起源

トランペットの起源は数千年以上さかのぼり、唇を振動させて音を出す楽器として始まりました。

ホルンやトロンボーンなど、はじまりはすべて同じと言っても過言ではありません。

唇を振動させて音を出す楽器として生まれたのち、長い歴史のなかでトランペットやホルンなどに進化していきました。

現代のようにバルブシステムはもちろんなく、上記画像のようなシンプルな形のトランペット。

トランペットの初期の形はナチュラルトランペットという筒のようなものだったので、現代とはまったく違う見た目ですね。

確かに画像を見ても、トランペットなのかホルンなのか見分けるのは難しい……。

そして古代におけるトランペットは、以下のとおり金属以外の素材も使われていました。

古代におけるトランペットの素材
  • 樹皮
  • 粘土
  • 金属など

トランペットは古代からあらゆる大陸に存在し、宗教的な儀式やまじないなどにおいて使われていたと考えられています。

ナチュラルトランペットってなに?

ナチュラルトランペットとは自然倍音しか出ないもので、奏者は唇の動きや息のスピードを変えて倍音と呼ばれる音を出していました。

現代のトランペットでは半音階を吹けるが、ナチュラルトランペットでは不可能だった。

たとえばトランペットでBを鳴らすと聴こえるのはBだけのように感じますが、実はそれ以外にも音が鳴っています。

基音となる音がB(B管トランペットの場合)として、Bを鳴らしたときに発生する周波数の整数倍(1倍、2倍…)が自然倍音です。

※倍音については、のちほど別記事で詳しく解説します。

そういえば吹奏楽部で、「倍音が聴こえる音で吹いて」って言われたことがある。

吹奏楽部で「倍音が聴こえる音で吹いて」と指導されるのは、倍音が多くなることで豊かな音色になるからです。

ナチュラルトランペットでは自然倍音しか出せないため、それを奏者の技術で音を狙っていたと考えると今より音程が不安定でしょうね。

17世紀ごろ(1601年~1700)からトランペットは合奏で用いられるようになりましたが、まだナチュラルトランペットでした。

でも楽譜の調性がBdur(変ロ長調)じゃなかった場合は、自然倍音で演奏できないんじゃ…?

もちろん自然倍音だけしか出せないナチュラルトランペットでは、半音がないです。

実はCdur(ハ長調)ならC管の楽器、Gdur(ト長調)ならG管の楽器といくつも調性の異なる楽器を用意し、持ち替えて吹いていました。

管の長さを変えることで調性の異なる楽器を作っていたため、持ち運びが大変だったはずです。

バルブ付きは1810年ごろから

ナチュラルトランペットの不便さから、手軽に管の長さを変えられないかと考えられたのがバルブ。

1810年ごろにバルブが発明され、トランペットは現代の形に近づきました。

ピストンを押すとバルブが動いて息の通り道が変わり、バルブによって管の長さが変えられます。

上記画像のようにピストンを押すと穴と穴が一致して迂回管(うかいかん)を通り、管が長くなるということ。

バルブの発明によって半音階演奏が可能になりました。

現代のトランペット

現代のトランペットは、大きく分けて「ピストンバルブ式」と「ロータリーバルブ式」の2つがあります。

ピストンバルブ式は、前章で解説した内容だね!

ロータリートランペットはドイツやオーストリアなど活躍した作曲家の作品で使われることが多く、吹奏楽では一般的ではありません。

音域や運指はどちらも同じですが、見た目や音色は異なります。

仕組み見た目音色
ピストン右手を地面に対して垂直にして構える
右手の指でピストンを押す
突き抜けるような明るさ
ロータリーパンを食べるときのような手の形で楽器を持つ
右手の指でレバーをひく
弦楽器に溶け込むような柔らかさ
ピストンバルブ式とロータリーバルブ式の違い

以下の動画は、ロータリートランペットを使用しているリヒャルト・シュトラウス作曲交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』です。

引用 YouTube

耳にしたことのある人も多いと思いますが、ロータリーバルブ式が使われていると知っている人は意外と少ないかもしれません。

ぜひピストンバルブ式とロータリーバルブ式の見た目や音色の違いを実感してみてください。

まとめ

  • トランペットは輝かしい華やかな音色
  • 活躍の場は広く、調性違いのトランペットや仲間の楽器が豊富にある
  • トランペットの一般的な音域は、下のミ#からチューニング音のさらに1オクターブ上のシ♭まで
  • トランペットのプロの音域は、下のミ#からチューニング音(B)のさらに2オクターブ上のシ♭まで
  • 唇を振動させて音を出す楽器としては、数千年以上前から歴史がある
  • ナチュラルトランペットから始まり、現代ではピストンバルブ式が一般的

多くの人になんとなく知られているトランペットですが、本記事には書ききれないほどの知識や魅力があります。

トランペットは管楽器のなかでも歴史の長い楽器のため、また別の記事でさらなる情報をお届けしますね!

本記事を読んでいただくことで、トランペットに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。